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by psychiatrist / contributor for Cookie Scene music journalism publication since 1997 to2009. web magazine launched in 2010.

Joy division / Morrissey / Beach boys/ Flaming lips

  Joy Divisionの自殺したボーカリストIan Curtisについて、その妻が書いた伝記を読んだ。伊藤英嗣監訳のハシエンダに比べ恐ろしく直訳で読みにくい。しかし史料価値は高くイアンの人柄について興味深い記述が多い。この本を基にした映画も公開されている。
 イアンは穏やかで礼儀正しい青年で、障害者支援センターで働き、物への執着が薄く、飽きた本などは気前よく友人にあげてしまう。その一方で気性の差が激しく突然逆上したり。エキセントリックな人だったよう。
 特に印象に残ったエピソード。 ウィリアム・バロウズだったかのサイン会に、イアンはサイン用の色紙も本も持たずに出かけていった。そして尊敬する作家に「失せろくそガキ」って言われて泣いて帰ったとか。残りのメンバー(つまりニューオーダー)は物陰でクスクス笑って見ていたという。
 イアンは「自分は彼の著書は全部持っているくらい熱狂的なファンだから、きっと喜んで本をもう一冊くれてサインしてくれるはずだ」と思った。けれどそれを説明する間もなく追い払われたよう。自分の一番好きなことになると、他人がどう思うかおしはかる能力がぶっ飛んでしまう。
 こういう人にとって大なり小なり人生は困難の連続だったと推測される。イアンカーティスの自殺は「バンドが巨大になることへのプレッシャー」や「不倫」による苦悩だとされているが、根っこには「生まれつき彼が人と相容れない」「ある種の局面において他人の気持ちをおしはかることができない」ことがあったのではないだろうか。

 

 

  Morrisseyモリッシー)2012年の来日公演で動物虐待反対のちらしが配られていた。ライブでもスクリーンに動物虐待の様子を生々しく映し出していた。若い頃から変人扱いされていたモリッシーは虐殺される小動物に幼い頃の自分を重ねている気がする。
 難波公演を観てきた。ZEEP NAMBAはなんばハッチよりさらに南に駅から15分ほどの距離。なんば~日本橋のレコード屋さんを回ってみたのですが、さっと見た感じ多くの店が日本盤中心で値つけも高く厳しかった。キングコングやDisc JJ等見る価値のある店もあったが、京都のように面白い個人店等は少ない気がする。
 ライブではモリッシー。スクリーンにオスカーワイルドの肖像画を映し、「オオサカー! ワイルド! オオサカー!ワイルド! オスカーワイルド!」と叫んでHow Soon Is Now?へなだれこむ。いきなり会場は沸点。
 ライブ中しきりに客と握手したりステージに飛び込んだ客を抱擁したり、手紙を受け取ったり、花束を受け取りばらまいたり。シャツを脱いで投げたり、しまいには日の丸の旗を腰に巻いてアンコールのStill Illを熱唱したり。
 なんか、こう、人柄が伝わってくる。変人かもしれないけど、常に怒れるモリッシーかもしれないけど、その表現のそこかしこにユーモアや親しみを感じた。

   


 2012年8月名古屋にも来てくれたビーチボーイズ。大編成のバックバンドの素晴らしさもあり終始最高のショーでした(DVD/Blu-rayで50周年記念コンサートが発売されます)。しかし日本の著名ミュージシャンからも「ブライアンはいるだけでありがたいけど、本当のところステージに立っていい状態じゃない」とまで酷評されていました。話に聞く限りブライアンウィルソンは過食、アルコール、ドラッグ依存、様々な精神疾患を噂されていました。
 そんな彼を壊れ物のように周囲が扱う一方で、ブルースジョンストンは「彼は宇宙飛行士なんだ。たまにどこかへ飛んでいって、たまに戻ってくる。彼の頭の中ではすごいことが起こっていてすごいアルバムがいくつもできあがっている」と語っています。どちらの解釈もある程度真実なんでしょうけど、でもどちらかといえば後者のほうが素敵じゃないでしょうか?(Wouldn't It Be Nice )  

 


  2012/5/12幕張メッセ、メタモルフォーゼでのフレーミングリップスのライブ観た。究極のエンターテイメントなんてものがもしあるとしたら彼らのライブ。 

  
  偶然見かけたのですが、明らかに難病の方が後方のブースで観ていた。文字通り命がけかもしれない。彼にとってそれくらいかけても観る価値のあるショウだったのかもしれない。凄く胸にきた。
  「Do you realize」という曲をリップスは必ずショウの最後に演奏する。「気づかないの?君は本当はとても美しい顔をしてるのに。」というサビなんですが、窓際のトットちゃんに出てくる小林宗作校長が問題児だった黒柳徹子にいう「君は本当はとてもいい子なんだよ」と似てるかもしれないと思った。 
 
 
  by Toyokazu Mori (森豊和) mail sync4@i.softbank.jp
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